2019年5月1日

今後のKindle出版の予定

・初夏  800枚の長編小説
・年内 1200枚の長編小説を含めた作品集(合計4300枚)

800枚の長編小説は、初稿を書いたのが2010年の春。つまり9年物のヴィンテージ。
もっか大工事のさなかで、どっしりとした飲みごたえの芳醇なフルボディとなるのか、はたまたタンニンの渋みが舌にまとわりつく、どどめ色の黒酢となり果てるのか、コルク栓をひっこ抜いてのお楽しみ。

1200枚の長編小説は、初稿を書き上げたのが、さらにさかのぼって2004年。おおよそ一年がかりの総力戦となった、実質上の処女作。(それまでに2、3篇、「物語らしきもの」を書いてはいたが)
ほんのつい最近まで「死蔵」するつもりでいた、熱意に任せた習作でもあるので、もしかすると延びに延び、年明けにずれ込むかもしれない。どちらにしてもかなりの難工事、徹底的なネジ締めが不可欠で、いまの自分にどこまでできるのか——つまり過去の自分を殺さずに、どこまで洗練のノミがふるえるのか、楽しみでもある。

こちらは単巻では発売せず、過去に出版した作品をすべて総動員して、「森水陽一郎・作品集」としてお披露目の予定。合計4300枚の大所帯で、少しばかり値がはりますが、プライム会員ならびにアンリミテッド会員なら、無料で読めるよう設定するつもり。
小説だけでなく、詩、童話、シナリオなども網羅した、文字で形作られた丸はだかの全体像となるので、四国のツキノワグマと同数隠れていると噂される森水ファンにとっては、待ちに待った朗報ですね。

ちなみに長編小説でいえば、ほかにも2本ばかり熱々の弾倉に収まって、いまかいまかと出番を待っているのですが、それはまた別の話。いずれどこかで、ビッグバンなど。

原始星 春蔓先に フィボナッチ  

2019年3月26日

山梨日日新聞、詩の掲載のお知らせ

3月25日付の山形日日新聞(朝刊)に、「蓮指(はすゆび)」という詩が掲載されました。
生まれては、枯れ生まれては、蓮の指。





2019年2月25日

アートフェア東京 佐野藍さん個展『アルビオンの陽』のお知らせ

詩集『月影という名の』の表紙でお世話になった石彫家の佐野藍さんの個展が、37日より、東京駅すぐそばの東京国際フォーラムにて開催されます。世界各国から美術関係者が訪れる、日本最大のアートフェアでの晴れ舞台、新作の大理石ドラゴンが11点も展示されるそうで、辰年生まれとしては行かない理由がありません。

佐野さんの作品の魅力の一つに、しなやかでたくましい空想力、イマジネーションの飛躍があると個人的には思っています。
幼いころに公園の落ち葉の下に垣間見た、青いうろこをぬらりと光らせるトカゲ。彼女にとって「小さな恐竜」として焼きつけられたその美しさ、なまめかしさは、長らく心の深い場所に、色あせることなくじっと棲みつづけ、ほどなくアニメやゲームのキャラクターがまとう、奔放な血肉を取り込むかたちで、空想上の、無二の生きものへと変貌を遂げていきます。
もちろん便宜上、作品には幻獣や神々から引用した呼称、「ドラゴン」や「バステト」の名が分け与えられますが、その細部には否が応でも、彼女の歩んできた生き方の姿勢、まなざしの純度と強度が、ごまかしのきかない「己の足跡の表出」として反映されます。
鑑賞者は技巧やテーマのさらに奥、言葉の世界から離れた深い深い原始の森に、じっと目をこらします。ふかふか落ち葉の、曲がりくねった小道の先には、なつかしい陽だまりが揺れる、ささやかな広場が待っています。きっとそこには、目を輝かせてそっとトカゲに手を伸ばす幼い佐野さんの姿があり、それは彼女にとって、枯れぬマグマの源泉であり、好奇心の小さな師であるのかもしれません。

順風満帆、いざ出立。
原風景への憧憬は、いつだって歩みの靴ひもを結び直してくれるし、その背中に未来の追い風を知らせるはずです。



【アートフェア東京2019
アルビオンの陽 Radiance of Albion
会場 国際フォーラム 展示ホールB1
B1エリアは全日程、入場無料)
3/7  (木)14時~20時(B2本会場は招待制)
3/8  (金)11時~20
3/9  (土)11時~20
3/10(日)11時~17

2019年1月30日

『現代詩手帖』2月号、書評掲載のお知らせ

『現代詩手帖』2月号に、詩集『月影という名の』の書評が掲載されました。書き手は高橋順子さんです。

詩を書き始める10年以上前、同郷である車谷長吉さんの作品群を前のめりで読みふけり、覚悟と矜持、人の抱えるどしがたい刃物の美しさに、何度も心打たれたので、このご縁の不思議を本当に嬉しく思います!


2019年1月4日

詩誌『エウメニデス 57号』掲載のお知らせ

小島きみ子さん編集、詩誌『エウメニデス 57号』の書評に、詩集『月影という名の』を取り上げていただきました。作品「砂漠の麦」について書かれた「人生への誠実さ」という言葉に、はっとさせられました。難しい指針です。愚直に美しく、誠実に泥臭く、今年も物語に向き合っていきたいと思います。

【引用詩の訂正・作品「血の鎖」】

誤 東京の水にそろって腹を下さい
正 東京の水にそろって腹を下し