2025年8月16日

夏休みの工作 五色模様


実用の美から、あったらいいなまで、
ちょちょいのちょいで、こしらえてみる。



【古代香水】

杉の宝珠に、土台はひのき、ずんぐりとした香水の瓶をイメージ。
ひのきの香りは揮発性でほどなく消えるが、どっこい、底面だけは薄れていかないことを、事前の実験で学んでいる。もし薄れても、さっと紙やすりでこすれば見事復活。

鼻先をかすめ太古は森の精




【縄文シキ鍋シキ】

ワンコインショップのシリコン製も、安価で使い勝手がいいが、フライパンの直置きは、どうしても熱がテーブルに伝わってしまう。
小さいほうの鍋敷きは、少し分厚い紙ひも製で、ステンレスの鍋用。大きいほうは、鉄のフライパン用。麻ひも製で、形を自在に曲げられ、円のとんがり部分から、底面の熱気を逃がせるように工夫した。






【ハリヤマ・ハリモグラ】

見本になるものはないかとネットをさぐってみると、フォルムのかわいい売れ筋の、ハリネズミの針山が圧倒的に多い。
そこはへそ曲がりの、人生なな曲がり、あえてハリモグラをチョイス。お腹の空洞には綿を詰め、端切れの革で、底に栓。実際の出番はほとんどないが、作業机の片隅にいるだけで、どうやら眉間のしわ防止に寄与している。



【高台厨子・杉の葉寿司】

柿の葉ならぬ、杉の葉の手作り線香。
庭先の落ち葉を拾い集め、細かく砕いて、くわえるのは水のみ。
三ヶ月だけともに暮らし、腎臓病で旅立った迷い猫のポッケ。
家の裏の高台に、毎年命日になると花がつおをそなえるのだが、そこに香食(こうじき)をそえて、満腹を願う。最後は流動食どころか、水さえ飲むことができなかったので。





【スカラベ飛ばず之介】

現地の土産物のスカラベを、古代エジプトの出土品といつわって、オークションに出品している商魂たくましい人たちにも、学びはある。

本物までさかのぼると、思いのほか粗野で素朴、釉薬の工夫もなく、ずっしりとあんこのつまった大福のような重量感があり、宝飾よりも護符としての空気をまとって、わざとらしい汚しとは無縁だ。
博物館級の品はもちろん手に入るわけもなく、じゃあいっそのこと、手ごろな土産物を落札するよりも、自分でこしらえてみようと思い立つ。

汚しや釉薬はなしで、土の風合いにまかせて(といってもオーブン粘土だが)焼成し、低温で焼きが甘くなる分、仕上げの手油が染みて、味になる。
背中に走る翅の縦ラインと、付け根の三角の小楯板(しょうじゅんばん)は、あえてなくした。高く飛び立つよりも、愚直に地を這うほうが好きなので。


2025年6月22日

夏旅 2025


八重山にて、島めぐりの旅




海ぶどうに島豆腐、パパイヤチャンプルに

ラフテー山盛りのソーキそば、もぎたてパイン

赤酢飯の地獲れマグロ丼に、塩ちんすこうアイス


物珍しい朝食バイキングに目を輝かせ

島渡り翌日から、男子柔道部員のはりきりようで

胃袋を破裂させかけて1時間ほど寝込むが

無事復活、気づけば5万歩ほど歩いてきた





あやうくの三途の川でなく

牛車に揺られて、のんびり海渡り










定番の観光スポット、灯台岬や鍾乳洞などを

現代人の悲しみかな、事前情報の確認作業とばかりに

頭の中のチェックシートに墨入れをして、見てまわる











といっても、生まれてこのかた、視力2.0

ブラタモリの来島の痕跡や

階段に芽吹いたど根性ガジュマル

ガラスごし、ふいに語りかけてきそうな

シミュラクラ現象を体現するパナリ焼

思わず駆け出したくなる海への抜け道など

見逃すことなくカメラにおさめ、そっとふたをし










語られを遠く待つ、いくつかの風景、出会いを胸に、離島



2025年5月15日

森水氏、レッドカーペットを歩く


第11回ブックショートアワードの12月期優秀作品「薬師堂の夜」が、年間の最終候補として選出されました。

今年度から最終候補の書き手は、5月28日より開催される「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」に招待され、そのオープニングセレモニーの前に、映画スターさながら、レッドカーペットを練り歩くそうです。




昨年のセレモニー映像を見るかぎり、他分野のプロの仕事を体感できそうで、おまけに映画祭の審査員・登壇者に、あの岩井俊二さんがおられるらしい。
ドラマ「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」から始まり、映画「Love Letter」「スワロウテイル」「四月物語」と、心がやわらかで傷つきやすい時期に、リアルタイムで物語世界をくぐり抜け、少なからず物の見方に影響を受けた希有な作り手に、いまから会えるのが楽しみです。

グランプリの発表は、セレモニー当日。
さて、レッドカーペットを踏みしめた森水氏、頭上にドカン、大輪の一尺花火を咲かせることはできますでしょうか。

【オープニ
ングセレモニー(ライブ配信、アーカイブあり)】
https://www.shortshorts.org/2025/opening-ceremony/

【ブックショートアワード】
https://bookshorts.jp/2024final

【作品「薬師堂の夜」】
https://bookshorts.jp/wp-content/uploads/2025/03/b4a92062788dce66283f11b383787e1e.pdf

 偶然の遭遇。円都LIVE2023(KURKKU FIELDS)

2025年5月7日

柳波賞 表彰式


4月26日、柳波賞の表彰式にて、童謡詩「あくび」を朗読してきました。
動いている私を見る機会は、おそらくハシビロコウなみにまれなことでしょう。
遠く近く、お祝いをくださった方々への、ささやかな返礼です。



ひさしぶりのスーツ、せっかくなら胸元を飾るピンズを自作してみようと、5種類ばかりこしらえてみたのですが、自宅に置き忘れるという、おなじみのうっかり。
右から、アンモナイト、クラッカー、時計のムーブメント、丸鯛、タコのハッチャン。
スポットライトの下、すべてつけおえるのは、さていつになることやら。



2025年3月6日

ブックショートアワード、ふたたび


短編「薬師堂の夜」が、第11回ブックショートアワードの12月期優秀作品として選出されました。

作中に一箇所、漢字の誤記が含まれていますが、そのうち訂正されるでしょう。
もし受けつけてくれない場合は、かえって縁起がいいかもしれません。
崩壊にいたる完成を小粋に遠ざけた、日光東照宮の逆さ柱よろしく。

(※追記 寛大かつ迅速な対応で、逆さ柱が天に向き直りました。 2025/03/10)

【ブックショートアワード「薬師堂の夜」】

https://bookshorts.jp/wp-content/uploads/2025/03/b4a92062788dce66283f11b383787e1e.pdf