『詩と思想』2025年3月号掲載のエッセー「詩と小説のあわいを旅して」が、EBSCOhost(エブスコ・ホスト)に転載され、広く世界で読まれることになりました。
EBSCOhostとは、人文、社会、理工、医学などの学術雑誌論文を、オンラインで読むための包括的なデータサービスで、おもに大学図書館や公立図書館、研究機関などで、世界じゅうの学生や研究者たちに活用されるそうです。
ですので、もしかしたら遠い将来、ポルトガル随一の日本文学研究者や、メキシコ在住の多和田葉子さんファンの大学院生に、読まれる機会があるのかもしれません。
何度かトライしてみたのですが、個人ではどうやら、登録までたどり着くのが難しそうなので(カフカの『城』的な堂々めぐりを体験したので)、本ブログ内の、全文読めるリンクを以下に記しておきます。
【詩と小説のあわいを旅して】
https://yoichiromorimizu.blogspot.com/2025/02/blog-post_28.html
掲載時期はまだしばらく先みたいですが、もし機会があればご一読を。
2025年9月2日
EBSCOhost 掲載のお知らせ
2025年8月16日
夏休みの工作 五色模様
実用の美から、あったらいいなまで、
ちょちょいのちょいで、こしらえてみる。
【古代香水】
杉の宝珠に、土台はひのき、ずんぐりとした香水の瓶をイメージ。
ひのきの香りは揮発性でほどなく消えるが、どっこい、底面だけは薄れていかないことを、事前の実験で学んでいる。もし薄れても、さっと紙やすりでこすれば見事復活。
鼻先をかすめ太古は森の精
【縄文シキ鍋シキ】
ワンコインショップのシリコン製も、安価で使い勝手がいいが、フライパンの直置きは、どうしても熱がテーブルに伝わってしまう。
小さいほうの鍋敷きは、少し分厚い紙ひも製で、ステンレスの鍋用。大きいほうは、鉄のフライパン用。麻ひも製で、形を自在に曲げられ、円のとんがり部分から、底面の熱気を逃がせるように工夫した。
【ハリヤマ・ハリモグラ】
見本になるものはないかとネットをさぐってみると、フォルムのかわいい売れ筋の、ハリネズミの針山が圧倒的に多い。
そこはへそ曲がりの、人生なな曲がり、あえてハリモグラをチョイス。お腹の空洞には綿を詰め、端切れの革で、底に栓。実際の出番はほとんどないが、作業机の片隅にいるだけで、どうやら眉間のしわ防止に寄与している。
【高台厨子・杉の葉寿司】
柿の葉ならぬ、杉の葉の手作り線香。
庭先の落ち葉を拾い集め、細かく砕いて、くわえるのは水のみ。
三ヶ月だけともに暮らし、腎臓病で旅立った迷い猫のポッケ。
家の裏の高台に、毎年命日になると花がつおをそなえるのだが、そこに香食(こうじき)をそえて、満腹を願う。最後は流動食どころか、水さえ飲むことができなかったので。
【スカラベ飛ばず之介】
現地の土産物のスカラベを、古代エジプトの出土品といつわって、オークションに出品している商魂たくましい人たちにも、学びはある。
本物までさかのぼると、思いのほか粗野で素朴、釉薬の工夫もなく、ずっしりとあんこのつまった大福のような重量感があり、宝飾よりも護符としての空気をまとって、わざとらしい汚しとは無縁だ。
博物館級の品はもちろん手に入るわけもなく、じゃあいっそのこと、手ごろな土産物を落札するよりも、自分でこしらえてみようと思い立つ。
汚しや釉薬はなしで、土の風合いにまかせて(といってもオーブン粘土だが)焼成し、低温で焼きが甘くなる分、仕上げの手油が染みて、味になる。
背中に走る翅の縦ラインと、付け根の三角の小楯板(しょうじゅんばん)は、あえてなくした。高く飛び立つよりも、愚直に地を這うほうが好きなので。
2025年6月22日
夏旅 2025
八重山にて、島めぐりの旅
海ぶどうに島豆腐、パパイヤチャンプルに
ラフテー山盛りのソーキそば、もぎたてパイン
赤酢飯の地獲れマグロ丼に、塩ちんすこうアイス
物珍しい朝食バイキングに目を輝かせ
島渡り翌日から、男子柔道部員のはりきりようで
胃袋を破裂させかけて1時間ほど寝込むが
無事復活、気づけば5万歩ほど歩いてきた
あやうくの三途の川でなく
牛車に揺られて、のんびり海渡り
定番の観光スポット、灯台岬や鍾乳洞などを
現代人の悲しみかな、事前情報の確認作業とばかりに
頭の中のチェックシートに墨入れをして、見てまわる
といっても、生まれてこのかた、視力2.0
ブラタモリの来島の痕跡や
階段に芽吹いたど根性ガジュマル
ガラスごし、ふいに語りかけてきそうな
シミュラクラ現象を体現するパナリ焼
思わず駆け出したくなる海への抜け道など
見逃すことなくカメラにおさめ、そっとふたをし
2025年5月15日
森水氏、レッドカーペットを歩く
第11回ブックショートアワードの12月期優秀作品「薬師堂の夜」が、年間の最終候補として選出されました。
今年度から最終候補の書き手は、5月28日より開催される「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」に招待され、そのオープニングセレモニーの前に、映画スターさながら、レッドカーペットを練り歩くそうです。
昨年のセレモニー映像を見るかぎり、他分野のプロの仕事を体感できそうで、おまけに映画祭の審査員・登壇者に、あの岩井俊二さんがおられるらしい。
ドラマ「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」から始まり、映画「Love Letter」「スワロウテイル」「四月物語」と、心がやわらかで傷つきやすい時期に、リアルタイムで物語世界をくぐり抜け、少なからず物の見方に影響を受けた希有な作り手に、いまから会えるのが楽しみです。
グランプリの発表は、セレモニー当日。
さて、レッドカーペットを踏みしめた森水氏、頭上にドカン、大輪の一尺花火を咲かせることはできますでしょうか。
【オープニングセレモニー(ライブ配信、アーカイブあり)】
https://www.shortshorts.org/2025/opening-ceremony/
【ブックショートアワード】
https://bookshorts.jp/2024final
【作品「薬師堂の夜」】
https://bookshorts.jp/wp-content/uploads/2025/03/b4a92062788dce66283f11b383787e1e.pdf
偶然の遭遇。円都LIVE2023(KURKKU FIELDS) |
2025年5月7日
柳波賞 表彰式
4月26日、柳波賞の表彰式にて、童謡詩「あくび」を朗読してきました。
動いている私を見る機会は、おそらくハシビロコウなみにまれなことでしょう。
遠く近く、お祝いをくださった方々への、ささやかな返礼です。
ひさしぶりのスーツ、せっかくなら胸元を飾るピンズを自作してみようと、5種類ばかりこしらえてみたのですが、自宅に置き忘れるという、おなじみのうっかり。
右から、アンモナイト、クラッカー、時計のムーブメント、丸鯛、タコのハッチャン。
スポットライトの下、すべてつけおえるのは、さていつになることやら。