2016年2月14日

お気に入りの品々 その9 『空想のゴミ箱』



近所のホームセンターで投げ売りされていた、高さ20センチほどの植木鉢カバーです。よほど人気がないのか、798円が半額以下の300円、内側に厚手のビニールが貼られており、ゴミ箱として使うのにはもってこいです。

おそらく東南アジアか中国で、きわめて安価な賃金で作られたものだとは思うのですが、百円ショップでたまに驚かされる民芸品と同じく、手に取ってみても、それほど雑な仕事ではありません。


もちろん上記のような竹編みの花カゴとくらべると、いささか洗練性には欠けているのですが、だからこそ工夫のしがい、言い換えると、素人でも立ち入る隙が残されています。


これは一体なんでしょう。
土台は、コルク製の厚手の鍋敷き、ぐるぐるのうず巻きは、こより状の紙ひも、ぴょこんと飛び出した突起は、庭先に落ちていた杉の小枝を、あらく削り出したものです。
制作時間、おおよそ1時間、色合い、サイズともに、ぴったりのふたができあがりました。


なんだかいまにも、杉の切り株から「ひこばえ」が芽吹きそうで、それでいて、ごくシンプルな枯山水の紋様のようでもあり、制作費500円のただのゴミ箱が、いろいろと空想の散歩に連れ出してくれています。